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霧島連山御釜巡り(’98.4)
えびの高原では鹿に見送られて、韓国岳から登りました。その日は、中国からの黄砂で、展望はややぼけているものの、鹿児島では滅多にない好天とのことで、N村さんか、私か、あるいは双方の、日頃の行ないの良さが見事に示されていたというべきでしょう。霧島というのは火山でして、全山で10個の火口、クレーターがあるそうです。もう、歩かれたこともあって、ご存知でしょうが、その大小の御釜の縁を辿って歩いていると、ほとんど月面を歩いているような気がしてくることでした。
さて、最後に、積年の憧れの秀麗なる高千穂峰を登りました。高千穂の左翼は、遠くからはとてもそうとは分かりませんが、これも御釜になっていて、その縁を通り過ぎました。登頂後の満足感をフェロモンのごとく、体中から発散させながら、急坂を下っていきました。私は底のすり減ったスニーカーだったもので、砂利混じりの赤土にズリズリと滑ってしまい、難渋していましたが、例の通り涼しそうな顔をしてN村さんが先行していました。その時、下の方から、バレエウェアーを着た女性が登って来るではありませんか。
上半身は濃紺のタンクトップで肩も露わ。巾13.5cmくらいのスカートが申し訳程度にピラピラと腰周りに直角に宙に舞っており、下半身はタイツです。ザックと登山靴だけはまともだったのですが、これはヤマではかなり異様に写る格好といわざるを得ません。N村さんが「コンニチワ」と挨拶していました。私はアブナソウな人は避けたいという心理もあって、無言で通り過ぎたのでした。
しばらく行ったところで、N村さんがガバッと振り向いて、「今の人、男性よ」と、私に教えてくれたのです。N村さんは声で気が付いたのでしょう。「エッ!?」と、私は振り向きました。そこは・・・。“パンツを見せて歩くには絶好の急坂であった”と書いておくにとどめましょう。やっぱり、普通のおねえちゃんは、スカートでは来ないよなー・・・。というわけで、私とN村さんは、霧島で11番目の御釜まで鑑賞してしまったのでした。
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