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5月2日
最終便で札幌へ。リッチホテルというプーアホテルで、11時半過ぎにコンビ二のおむすびをわびしく流し込む。
3日
翌朝、グランドホテルに泊まっていたリッチな京都勢もお出ましして、東京3名、青森1名、京都3名の総勢7名がリッチホテル食堂に集合。何と、同ホテルに私は日航割引で6300円、F岡氏、M野さんは8300円(朝食なし)、青森のT橋氏は当日飛び込みで4200円で宿泊していたことが判明した。T橋氏のランクルに荷物と3人、レンタカーに京都勢と私が乗って出発。なかなかの好天で、旅の出だしとしては最高。北大キャンパスのポプラ並木の新緑が光に踊っていた。
まず、小樽へ出て、市場で買出し。観光スポットはぞっとするような人の波で、行列が並ぶ。変哲のないすし屋で昼食をとる。西海岸沿いをひたすら北上する。海を見れるとバケーションしているのだという開放感を感じる。ダイナミックな岬が海中に突き出ている。滝が道路わきに落ちている所もあり。野性的な風景だ。京都勢は頻繁に運転を交代する。私は市場で買ったイカ墨さきイカが気にいてしまい、ばくばく食べたり、運転手に眠気覚ましに勧めたりしていた。上品なA野氏はイカ墨さきイカを頑として食べず、においに辟易としていたのかもしれない。
留萌の手前、増毛の駅前の多田商店が本日の宿、暑寒荘の管理事務所になっていた。ここは、20年前の高倉健主演の駅-ステーションという映画で風待食堂という舞台にされた店だが、かつて一度も食堂であったことはないそうである。暑寒荘(無人小屋宿泊)申し込みし、暑寒荘へ向かう。4月20日頃に除雪されたそうで、ほとんど車を横付けできた。60人収容、3階建て、だるまストーブつき、蒲団有りの大変快適な暖かい無人小屋だ。東京にあったら、たちまち住み着く人々に占領されてしまうことであろう。
本土では珍しい八角というが、実際は将棋の駒のように五角に角張った魚を焼き、ボタンえびをむしゃむしゃ食べて、行者ニンニクのあえものを食した。ホッケは油がよくのり、タラコも美味なり。M野女史をお誘い申し上げたことが正解であったことを実感した。
4日
5時起床。私は寝過ごしたようで、リビングキッチンへ降りたら、皆がかいがいしく朝食の準備をしていた。ホタテ入りの贅沢な味噌汁、タラコなどで朝食。
7時半暑寒別岳を目指して出発。小屋の標高300m、山頂1491m。標高差約1200m。最初は林の中の平坦な道を行き、尾根を急登する。
10:40尾根へ出て、30分くらいの休憩。スケールの大きい、あきれるほど平坦な尾根を行く。前方におだやかな山稜が重なる。次の大休止で、6人組が降りてくる。時間的に、途中の林の中でテントを張っていたと面子と思われる。6人全員が見事なテレマークを披露してくれた。さすが、北海道。この広さ、この平坦さにはテレマークが向いている。11時ころから尾根をトラバースするようになり、11:30眼前に大斜面がそりあがる。南暑寒別岳で、本当の暑寒別岳の頂上は、またその奥らしかった。斜面を登りきってから、どんなルートが出てくるのか、多少、ゆううつにもなる。
男性陣はその登り前に休む気配となる。こんな所でまた30分も休んでしまうと体がきつくなるので、M野さんと私は休まずに行くことにした。M野さんは太い板に太いシールをつかい、これをよく効かせながら、直登して行く。私は斜面をジグザグにカットして行った。みるみる差がついてしまい、右上視野に見えているM野さんのシルエットが次第に遠くなった。斜面頂上付近の潅木を避けて左手に回り込むと、苗場山の山頂のように平坦な雪原が広がり、その果てに、"もうを、これが頂上!"としか思えない、道標のような棒状の黒いシルエットが見えた。多少の上下を繰り返し、1箇所で板をはいたままハイマツを踏みつけて横断し、なんとか山頂にたどり着いた。
12:20だった。頂上からは日本海と増毛山塊の峰々、雨竜沼の平坦な雪原が見えた。大雪山はかすんで同定できなかった。
14:00山頂をあとにした。急斜面がスキーハイライトだった。
14:50小屋帰着。足のそろったメンバーで、私が一番へただが、まあ何とかなった。T橋さんは、"もっと急坂が続いているかと思っていたので、がっかりした"と言っていたが、私は1200mの一気下りに満足した。
留萌を経由し、旭川へ入った。ビジネスホテル泊まりを覚悟していたが、駅で天人峡に宿を見つけ出し、天人峡へ向かった。宿到着19:30。和風旅館で一泊8000円也。直ちに夕食となり、直ちに温泉に入り、バタンキューした。TVでは北朝鮮の某有名人の長男と思われる人物が不正入国しようとして、強制送還される画像を繰り返し放送していた。
5日
6:30朝食。8時出発。大雪山(旭岳)ロープウェイ乗り場へ向かう。ロープウェイは9時が始発だった。終点の姿見の池の標高は1600m。山頂までの標高差700m。9時30分出発。11時頃からルート上に雪がなくなったので、板をデポした。その手前からナイフリッジにかろうじて雪がついている状態で、私はとてもすべり降りれないと思っていた。京都のS山、A野氏は9合目まで板を運び上げてあきらめたが、F岡氏は最後まで根性で担いで行った。9合目から上は岩木山に似ていた。
12時20分山頂。反対側の斜面には雪がべったりついており、F岡氏は勝どきをあげた。雲の切れ目から黒い黒岳が望めた。雲が低く、その切れ目切れ目に、雪をまぶした北海道の原野が望めた。頂上にイーグルのような雪のブロックを積み上げたスペースがあり、宴会をした。
13時、F岡は左に、他メンバーは右に分かれて頂上をあとにした。S山、A野氏は途中から右の地獄谷へおりたが、そのスキーの達人たちがキックターンをしていた。それを見て、決して地獄谷に下りまいと決意した。女性陣はデポ地点まで降りて左側へおりることを主張したももの、いざ下ってみたら雪は直ぐ途切れてしまい、尾根へ戻った。でも、やばいやせ尾根はショートカットできたようだった。あとは、へたさ丸出し状態で尾根をしばらく下り、最後に自分でもうっとりするようなすべりをみせて、姿見の池へ帰った。14時ころだった。F岡は25分前に到着していたとのこと。F岡氏は当初は気持ちよい斜面を降りれたが、後はほとんど歩きだったとの事で、大満足したというわけではなかったようだ。ゲレンデをすべって14時半頃ロープウェイ乗り場へすべりおりた。
下山口の温泉は13000円の部屋しかなかった。T橋さんの拒否の声で再び放浪のドライブとなる。それでも運良く、富良野駅でなんとか十勝温泉に8000円の空きをみつけてもらう。16:00頃十勝温泉バーデンハウス宿到着。赤いさびが浴槽のへりについていた。
翌日
は最終日。さて、いざ、十勝岳と一人騒いだが、1000mの標高差、時間の余裕がないということもあり、十勝の前山の三段山へ行くことになる。9時前に登山口の吹上温泉着。標高1000mくらい。9時過ぎから1時間半ほど板をひきずって、セレモニーはおしまいとするという感じで、登るのを止めた。三段山の二段目まで登ったことになるか。頂上の標高1500m位の山だが、近隣の山に比較して、雪が大変多かった。また、三角錐の白い十勝岳が噴煙をあげている姿を眼前に臨むことのでき、振り返れば広大な富良野盆地が春霞にかすんでいる。すばらしい展望台だ。
登山口まで一気に滑り降りた。登山口の吹上温泉は、露天風呂の浴槽が4つあり、打たせ湯あり、ジャグジーにサウナあり。今回最高、めったにない公営入浴施設だ。おまけに2階には素泊まり施設があり、一泊2600円。登山客が多く、T橋さんも2回泊まったことがあるそうだ。今回は残念ながら満員だったが、来年はここに泊まって十勝岳を目指そうと思ってしまったことだった。
帰途は富良野のワイン工場に1時間滞在。十勝連峰を借景に30分でバーベキューとラベンダーアイスを飢えた学生のごとく詰め込み、ワインを試飲、みやげ物なぞを仕入れて一路千歳空港へ。天気予報通りに雨が降り始めた。17時過ぎ空港到着。乾杯をする余裕もなく、それぞれのフライトへと分かれたのであった。私は20:30のフライトの予定であったが、キャンセル待ちして、19:45のフライトの、しぶとくも最後の客となったのでありました。
旅芸人とか、山スキーヒッピーとか、学生たこ部屋合宿という声もありましたが、GWにこんな充実した遊びができるんかいなという日々でした。GWに北海道の雪を蹴散らしたいという積年の夢がかなって、大満足、上機嫌で、充足感に浸っています。後遺症として、京都勢のレンタカーにずっと同乗していたので、関西弁になってしもうたことや。
山ボケ猫 著
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