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製作著作山ボケ社
無断転載を禁ず

月山 春スキー

(メールからの抜粋編/’00.4.8〜9の記録)


 へーい、行ってきやしたぜ。総勢60名の月山ツアーへ。
 全員が怪我もせずに、落ちこぼれもせずに登頂し、滑り降りた。平均年齢60歳くらいのツアーとしては、さすがというか。しかし、これだけの高齢者がこれだけのハードなスポーツを集団でエンジョイするツアーというのは、他に類をみないのでは。

 金曜日の夜8時半、Fさんの車で月山登山口志津へ。昨年5月に鳥海山へ行ったときは寒河江までしか高速がつながっていなかったが、今回は月山の登山口志津までつながり、5時間で到着。
 土曜は湯殿山。9時半ネイチャリングセンター前を6班編成で出発。地元の会員が先頭にガイドについた。通常、自分たちは2時間程度で頂上に到着するが、今日は3,4時間かかるだろうとのこと。なんとなく、天候も悪いし、中断の可能性がにおわされたような気がした。
 天候があまりよくなかったが、視界はあった。11時過ぎに樹林帯を抜けると突然大斜面が出現した。樹林帯と雪原帯が、はっきりわかれている。そこでランチとなる。突風が吹いてきて、ちょっと吹雪。誰かが、“これだけいれば怖いものは何もないなあ”は、実に言いえたせりふであった。
 斜面を上り詰めると、雪の尾根道だ。わが第3班は第4班に先行してもらうが、各班は団子状態となる。ニセ湯殿というピークの先だということで、ニセ湯殿だと思っていたら、いつのまにかニセは通過していて着いたピークが頂上だった。12時20分くらいか。標高は1500mジャスト。夏は道がなく、登れないとのこと。有名な山なのに。地図でみると結構、ガレている様子ではある。いづれにせよ、東北の山は東京近郊の山のようには縦横に歩かれていないのだろう。吹雪に追われるようにシールをはずした。出羽の穏やかな雪の山並みを眺めながら、尾根を滑り降りて、それから、本日のお楽しみの大斜面を滑降した。羽黒山側から登ってくる2名のスキーヤーがいた。
 大斜面の下で、次から次へと滑り降りてくるご一行様の滑りをながめた。60名が雪を蹴散らして降りた斜面はゲレンデのように仕上がってしまった。板を流してしまったメンバーがいたが、うまく樹林帯のところで、ひっかかった模様であった。樹林帯の下りはあっけなかった。滑れるところまで滑って、道路を板をかついで15分くらい歩いたら宿だった。2時過ぎ帰着。
 宿からは本日往復してきた尾根をこちらに伸ばして、湯殿山が鎮座していた。雪の山容は月山よりも山岳的、複雑で陰影があり、良い山である。

 さて翌日、日曜日は念願の月山へ。抜けるような青空である。
 湯殿山の右手正面にのっぺりした姥が岳、さらにその右手に出羽3山の主峰月山が、姥が岳をふた周りくらい大きく、のっぺりと白い山容をみせていた。宿のバスを降りてからリフト乗り場までがちょっと遠かった。7年前に学会のオプショナルツアーで来て、2本滑ったところで、雨で中止となったゲレンデを記憶をたぐるようにながめていた。

 リフトから降りて、しばらく八の字を書いて斜面を登った。
 谷をはさんで正面に、ドドドデーンと月山が、何一つ隠すでなく何もない坊主頭のような白い斜面をそびえさせていた。登り出も、滑り出もありそうな山だ。谷へ滑り降りてからシールをつけた。地元のリーダー氏が、“凍っているので、アイゼンを持っている人はつけたほうが良いです”という。F氏もつけているので、習う。9時20分出発。
 急な斜面をただひたすら登り詰めて行く。先行する班の人々の列がすべて見通しにその斜面に散っている。全部見えている分、意外と遠い。一休みした後は傾斜が増した。昨日学習したコツ、“ストックは肘から、足は斜面にあわせて最初から横にして出して行く”というポイントを守って慎重に登っていくと、昨日よりも滑らなかった。一人、2,3m上から、私の前のNさんの所へ回転してずり落ちてきた。私は思わずストックをNさんの前につきたてた。スピードはついていなかったので、Nさんに接触しながらとまったが、一瞬、ひやっとした。
 登りあげると、突然、ほとんど平坦に近いような雪原に出た。そこで、休むのか思ったが、三々五々、雪原を人々の群れは前方を目指して進んでいた。歩き始めれば、結構、凹凸がある登り斜面だった。そこを果てまで歩きつめたところが頂上だった。11時20分だった。ピーカンだったけれど、頂上は風が強かった。鳥海山が雲のような黄砂の上に幻想的に浮かんでいるのが眺められた。予想より遠かった。カメラにもろに雪混じりの強風が吹き付けてきて、シャッターがおりなくなってしまった。全員集合の写真もとらずに、“逃げ降りろー”という感じでたちまち下山になった。頂上プラトーを端の方まですべって、さていよいよ、例の急斜面と思うと、朝は凍っているたので、くだりが思いやられたが、昼頃の下山時はざくざくと融けていて、すべりやすかった。
 斜面の中だるみで、日にあたりながら、春スキーっぽく、ランチを楽しんだ。
 リフト下車口へは登り返さずに、デブリもある四谷川の斜面を横切って、リフト乗り場の脇に滑り出た。そこから、軽く上下する樹林の中を5km滑ると、朝、みたような風景に出た。つまり、宿の前だった。凄いロケーションの宿だ。1時半のご帰館だった。


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